YOU(poem)

   欲


樹脂の塊の様に足元にまで広がる垂れ流しの欲望が

歩くたびヒールのかかとに埋まり込んで

日に日に 歩き難くなって行く


日々 赤らんだ顔で照らす懐中電灯の灯りの先

前のめりに覗き込んでは

無意味だとわかっていてもこの虚無を埋めるねぐらを舌なめずりして探しだす

常に半歩先に


私 如何わしく変異

巨大に変形した両手をぶら下げ

生まれたての幸福を浸すホルマリンを抱きながら今日も歩く日々


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